自分スタイル 私たちはこうして夢を叶えました

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NAVY BAGELS

元山 紀之 さん

NYベーグルとの出会い

NAVY BAGELSには2種類のベーグルがある。アメリカ・カナダ産の小麦、イーストを使用し、皮はパリッと、中はしっとりと仕上げたNYベーグルと、国産小麦と天然酵母を使用したむっちりもっちりの和ベーグル。

本場ニューヨークではベーグルにクリームチーズや具材をサンドするのが主流のスタイルとなっているため、NAVY BAGELSでもニューヨークスタイルには特に力を入れている。

元山さんとのベーグルとの出会いは21歳の頃だった。松山から東京に出て、豆腐の引き売りをしていた。知らない土地で、知らない人ばかり。人目も気にせず、興味のあることに挑戦ができた。そんな仕事の合間にベーグル屋さんの正社員募集の告知を見つけた。もともとベーグルが好きだった元山さん。ここから5年間のベーグル職人への挑戦が始まった。師匠はとても厳しい人でベーグルについてはもちろん、社会人としての話し方や仕事の進め方など、一から叩き込まれた。当時は厳しかった師匠だが、お店を持った今でも師匠と連絡を取り合って、相談に乗ってもらうなどの交流があるそう。

「今の自分がいるのは師匠のおかげです」そう元山さんは教えてくれた。

師匠の元で一から学んだベーグル作り。その中でベーグルの本場、ニューヨークに対する憧れもだんだん大きくなっていった。

同僚が次々と自分の店を持っていく中、元山さん自身も30歳までに開業することを目標とし、地元愛媛に戻った。1年ほどBAGELラクダピクニックで修行をおこない、2015年8月8日(28歳の時)ついに念願のNAVY BAGELSをオープンさせた。

松山市の中心部、城山公園の近くに位置しているNAVY BAGELS。ベーグルを買って、すぐに芝生の上で食べる、外でベーグルを楽しむことができるのもこの土地を選んだ大きな決め手だ。セントラルパークでベーグルを食べるニューヨーカー。そんな姿を思い浮かべたとき、城山公園がセントラルパークと重なった。

 

しろくまサンド

NAVY BAGELSを語る上で欠かせないベーグル「しろくまサンド」

オープンから1年半ほど経ったころに誕生した、メープルクリームチーズと大納言やフルーツがたっぷりとサンドされているSNSでも話題のベーグルだ。当時フルーツサンドが流行っていて、新商品を考案していた頃だった。


有名なしろくまアイスが原点だと思われがちなしろくまサンドだが、店舗の設計を手掛けたデザイナーの奥様からもらった、オープン当初から店内を見守ってくれているしろくまの置物が名前の由来だ。

今では限定商品のくろくまサンドや、季節限定の夏のしろくまサンドなど新商品も次々と生まれ、人気を呼んでいる。

 

 お客様とともにつくるベーグル

週4日の営業を行っているNAVY BAGELS。朝のオープン時には行列ができることも少なくない。特に土曜の営業日には早朝から県外のお客様が並んでいることもある。決して広いとは言えない店内には常にベーグルを選んでいるお客様、サンドを待っているお客様がいる。

今でこそクリームチーズなどをサンドするスタイルが人気のNAVY BAGELSだが、オープン当初はなかなか浸透せず、おいしさが伝わらないことにもどかしさを感じたという。それでも元山さんは諦めずにNYベーグルを作り続けた。すると少しずつ食べてくれる人が増え、おいしさを分かってもらえるようになり、お店に並ぶNYベーグルもだんだんと増えいった。

お客様とのやり取りを大事にしていると話す元山さん。常時約30種類ほどあるベーグルと、常時6種類あるクリームチーズからお好みのものを選んでもらう。組み合わせは何通りにもなる。会計時にはベーグルと、挟んでほしいクリームチーズを伺い、いつ食べるのかを尋ねる。「ベーグルは一番おいしい状態で食べてほしい」という気持ちから、すぐに食べるのであればベーグルをトーストすることをおすすめする。しばらく食べないのであればクリームチーズは別容器に入れて持ち帰り、食べる直前に自分でサンドすることもできる。

「ベーグルとクリームチーズだけではなく、お客様とのやりとりも含めて初めて一つのサンドができるんです」元山さんは静かな物腰の中にも、秘めた思いを力強く語ってくれた。

 

好きなものを追い求め続けるということ

元山さんが幼いころから好きだったというネイビー色。そこからついた店名、NAVY BAGELS。内装もネイビーにし、憧れの地ニューヨークを連想させる雑貨たちが店内を鮮やかに彩っている。

数あるベーグルの中でも、シナモンレーズンはオープン当初からずっと作り続けている思い入れの強いベーグル。愛媛ではあまり売れ行きは芳しくないというが、それでも購入されたお客様から「かつてニューヨークに住んでいて、その頃に食べていたシナモンレーズンと同じくらい美味しかったです!」という声をいただき、その言葉が励みになった。自分が目指すベーグルはこれなんだと実感した。

今後は本場ニューヨークでの王道スタイル、オーダー式のNYベーグルに力を入れていきたいと語ってくれた元山さん。最近ではクリームチーズ以外にもNYベーグルの代名詞とも言えるLOX(サーモンサンド)、TUNA(ツナサンド)、PUROSIUTTO(生ハムサンド)等のお惣菜ベーグルの販売も開始している。食事系のサンドの種類も増やし、出来立ての「一番おいしい状態」で提供していけるようにしたいと教えてくれた。

「好きなことならとことん追い求めていけるんですよ」

ニューヨークスタイルのベーグルを目指し、元山さんはネイビーの壁に囲まれた店内で笑顔でそう語ってくれた。

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