自分スタイル 私たちはこうして夢を叶えました

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凸凹舎

河端 里香 さん

愛媛でオーガニックスイーツ?

オーガニックスイーツのお店があるんだって。

河端さんのスイーツと出会ったのはもう8年も前のこと。オーガニック=そっけない、まだまだそんな印象が色濃かった。当時、愛媛松山では、趣味を超えて販売している貴重な存在だった。

とあるカフェでサーブされたそのオーガニックスィーツは、想像以上におしゃれだった。生クリームの代わりに、豆腐クリーム。バターの代わりに、植物性油。季節のフルーツをふんだんに使い、素材の味を楽しむ。川端さんのオーガニックスイーツに出会い、私のオーガニック=そっけないの公式は、崩れた。

「食と身体」の関係を実感

幼い頃からお菓子作りが好きだった河端さんがオーガニックスイーツをつくり始めたのには、理由がある。小さい頃から体が強い方ではなく、添加物が原因で体調を崩すこともあったそう。大学進学時に、上京、一人暮らしをはじめて本格的に体を壊してしまった。

大学に通う傍らマクロビオティックについて学び、食と向き合った。大学卒業後も自分の興味のあること、今後続けていけることを職業にしたいと決意。専門学校へ通い、Uターン、個人経営を学ぶためカフェに就職した。その後、独立。自分のペースで、お客さんひとりひとりと向き合いたい、そんな想いを胸に、小さな厨房を用意して、週2日の販売からスタートさせた。下準備などの工程も多いため、ひとりで切り盛りするには限界がある。体に優しいものをつくる=日持ちもしない。それでも「ここにしかないもの」を求めて足を運んでくださるお客様とのコミュニケーションに喜びを感じながら、コツコツとファンを増やし、自分が貫いてきた道は間違っていなかったと確信。アレルギーのある方はもちろん、美容や健康に配慮される方々にも河端さんのスィーツファンは多い。近年、食の健康志向が強まりを増す中、以前よりオーガニックスイーツを選んでいただける方が増えていると実感している。

 

「心に良い」は「身体にも良い」

そんな河端さん、出会いやタイミングも合い、今年スィーツ専門店から食事も提供するカフェ経営にシフト。テーマは「共存」。いろんな人が自分の身体の声に合わせてセレクトできるお店を目指している。農家さんから直接買い付ける食材を使って、「今まで手をひろげられなかったことにもチャレンジできるようになった」と笑顔で話す。

「マクロビだけを続けていくことだけが100点ではない、いかに生活のシーンに近づけていくか、自分も周りの人も笑顔になれるかが大切だ」

「オーガニック素材を使うと、どうしても材料費が割高になってしまう。すべてがオーガニックでなくてもいい。ストイックに突き進むことだけがよいとは思わない」。河端さんの食材に対する判断基準をお客さんにも伝え、「知ってもらって、理解してもらって、お客様に選んでもらえる、それがベストです」。と笑顔を忘れない。

常に自分の思いを明確に、何事も楽しみながらチャレンジしてきた河端さん、自分の信念を大切にすることで、食材選びはもちろん、これから進むべき方向性も選びやすくなったそう。お客様の笑顔が見たいから、自分が笑顔でいたい。今後も変化を楽しんでいきたい、と気さくな笑顔で語る。

お店のカウンター奥には、器や、ミルに並んで、何年も前にお母さんからプレゼントしてもらったマドレーヌの焼型がキラリと光る。専門学校時代から使いつづけているというスパテラを誇らしげに持つ河端さんの笑顔には、過去、そして、前向きにこれからを進んで行く決意が見えたような気がした。

 

SHOP DATA

SHOP DATA PHOTO

  • 屋号
    凸凹舎
  • 所在地
    790-0003 愛媛県松山市三番町5丁目3−8 〒790-0003 1F
  • 電話番号
    089-986-6638
  • 営業時間
    11:00〜19:00(木曜定休)
  • facebook
    https://www.facebook.com/decobocosha/
  • 備考
    自然光の入る店内には、大切に使い続けられてきた道具や家具が心地よく配置されている。河端さんと二人三脚でお店を運営する高橋さんのライフワークは音楽。ランチタイムは身体にやさしいお昼ご飯を。カフェタイムにはスィーツとコーヒー。曜日によって、揃うスィーツも違うけれど、もちろんテイクアウトもOK。カフェときどき音楽。アコースティック音楽仲間も集う、落ち着いた空間だ。